『いのちは見えるよ』及川和男作 長野ヒデ子絵 岩崎書店 2002-02-10出版 :\1,300+税 ISBN:4265006213

盲目のお母さんで教員のルミさんが、学校に赤ちゃんを連れて行き、小学生の目の前でおしめを換えたりするなかで、「いのち」の話をする本。

本書はお隣に住む小学生、エリちゃんの目を通して描かれている。エリちゃんはあるきっかけで、救急車でルミさんに付き添い、病院で腰をさすり、お産にも立ち会う。エリちゃんのおかあさんも、ルミさんも、婦長さんも、エリちゃんにいろいろなことを教えてくれる。『「ママも、こうやってエリを生んだのよ」「くるしかった?」「もう、むちゅうだったね。ルミさんもしっかりね」ああ、ママは、こんなふうにがんばって、わたしを生んでくれたんだ。』(本文より)

『ああ、なんてかわいいのぞみちゃんだろ。「ルミさん、見えたらいいね」おもわず、そういってしまいました。あっ!わるいことをいってしまった!むねが、キュッとなったとき、ルミさんはいいました。「見えるよ。いのちは見えるよ」』(本文より)

REBORNインタビューで長野さんはこう語る。「さまざまな形で性教育の授業がされていると思いますが、ぜひ学校に赤ちゃんを連れて行ってほしいですね。ラオスに行ったときに、生徒が子守で学校に赤ちゃんを連れてきていて、先生も赤ちゃん連れで授業をしていました。おっぱいを飲ませながら、算数の問題を黒板に書いたりしてね。ごく身近に赤ちゃんがいる環境はいいなぁと思いました。」

子どもに読んであげるだけでなく、性教育やノーマライゼーションの学習にも。第49回青少年読書感想文全国コンクール「課題図書」(1・2年生 小学校低学年の部)

(REBORN・白井千晶)

著者インタビューはこちらから


オビより
全盲のお母さんの出産と一生懸命な子育てを描き、「いのち」について対話し考える絵本。


著者プロフィール
及川和男[オイカワカズオ]
1933年、東京に生まれる。戦争で疎開、岩手に住みつく。県立一関一高卒。日本ペンクラブ、日本児童文学者協会会員。主な作品に『村長ありき』(新潮社、現在『「あきらめ」を「希望」に変えた男』と改題、日経ビジネス人文庫)『イーハトーブ通信』(新潮社)『いいお産したい』(桐書房)『わらび座就学旅行』(岩波書店)『米に生きた男』(筑波書房、農民文化賞)『生命村長』(童心社)『かあさんは看護婦さん』『まぼろしのプレーボール』『森は呼んでいる』『また来てマック』『白い森のふるさと』『テル、ごめんね』『なんでも相談ひきうけます』(北の児童文学賞)『なみだの琥珀のナゾ』(いずれも岩波書店)などがある。

長野ヒデ子[ナガノヒデコ]
1941年、愛媛県に生まれ、瀬戸内海を見て育つ。有明の海を見て子育てをする。ユニークな作風が多くの人に親しまれ、絵本やさし絵、紙芝居、エッセーなどの創作活動をつづけている。
主な絵本に『おかあさんがおかあさんになった日』(サンケイ児童出版文化賞推薦)『せとうちたいこさんデパートいきタイ』(絵本にっぽん賞大賞)などたいこさんシリーズ、『海をかえして』(丘修三・文、以上童心社)、『狐』(新美南吉・文)『となりの魔女のマジョンナさん』(ブリッドウェル作、以上偕成社)など。さし絵の仕事に「お江戸の百太郎」「銀太捕物帳」シリーズ(いずれも那須正幹・作、岩崎書店)、エッセー集に『ふしぎとうれしい』(石風社)などがある。

 

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