『おかあさんがおかあさんになった日』 
長野ヒデ子作 1993年 童心社 1300円+税

 おかあさんが、生まれた子どもに「あなたの生まれた日」を語った本。おかあさんが入院してから退院するまでを、あたたかな言葉といのちの温度が伝わる絵で描き出している。陣痛がはじまって部屋に帰る階段で、「フーフー」と呼吸法をしながら、「いたい いたい! いよいよなんだわ うれしい!」の言葉をみると、ありありと自分のお産を思い出す方も多いのでは?
この本ではおとうさんがいつもそばにいる。陣痛がはじまっておとうさんが駆けつけ、陣痛室では一生懸命、腰をマッサージ。分娩室では汗を拭き、いきむときにはおとうさんも同じ顔。生まれたときには同じ涙を流し、退院も一緒。
 REBORNインタビュー(記事へのリンクを貼って下さい)で長野さんは本書の誕生についてこのように言っている。「出産の過程を具体的に描こうというのではなくて、お母さんの内面を、お母さんがお母さんとして生まれた、そのことを描きたかったんです。」と。
 自宅出産を描いた『おとうさんがおとうさんになった日』(リンクを貼って下さい)でおとうさんが赤ちゃんを待っているときに、膝の上で上の子に読んであげているのが『おかあさんがおかあさんになった日』。

『おかあさんがおかあさんになった日』は1993年の作品。陣痛室があって分娩室へ、仰臥位でお産して、赤ちゃんは新生児室でお母さんは入院室・・・というあたりは2002年発行・自宅出産の『おとうさんがおとうさんになった日』と比較すると興味深いし、赤ちゃんが生まれる喜びは、どちらもおんなじ。2冊合わせてどうぞ。子どものためにも、おかあさんになる方へのプレゼントにも。


(REBORN・白井千晶)




オビより
期待と不安のなかではじめてのあかちゃんを出産。
病院での1日をあたたかく感動的に描く絵本。

表紙裏 本文の一部より
あかちゃん こんにちは、おかあさんよ。
あなたのおかげで、
わたしは おかあさんに なれたのよ。
ありがとう。
あなたの うまれた日。
おかあさんが おかあさんになった日。

著者 長野ヒデ子
1941年、愛媛に生まれる。絵本に『おかあさんがおかあさんになった日』(サンケイ児童文学賞)『せとうちたいこさん・えんそくいきタイ』『せとうちたいこさん・パーティーいきタイ』『海をかえして!』『ふとんやまトンネル』(共に童心社)『狐』『にゃーう』(友に偕成社)他、紙芝居に『ねこのたいそう』『ねこのおりょうり』『くわず女房』(共に童心社)他、作品多数。エッセイ集『ふしぎとうれしい』(石風社)がある。

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