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『メグさんの性教育読本』 メグ・ヒックリング著  三輪妙子訳 発行・ビデオ・ドッグ 発売・木犀社 1999  ¥ 1,890(税込)   ISBN978-4938830069

REBORNコメント

書いた人の人柄がその本の大きな魅力になることがあるが、これもまさにそういう本。著者は2年先まで講演が頼めないとい うひっばりだこの教育者だが、それは、優雅にユーモアを駆使しながら性を語れる、とても知的な女性だからだろう。私は拝聴したことはなくて残念だが、日本 でも何度か来日して講演をおこなっている。

性教育は子どもの年齢によって大き く内容が変わっていくが、この本は幼児から思春期まで段階を追ってガイドしてくれる。その年の子にいかに自然に、効果的に話すかのヒントが満載だ。子ども たちの可愛い、生き生きした受け答えがいっぱいの軽やかな文面には、日本の性教育の本にはない魅力がある。そんな軽妙なやりとりの中に、大人がはっとする 考えや、知らなかった正しい医学知識がたくさん入っている。

特に小さい子どもへの話し方は本当にいい感じで描かれていたし、幼児期にスタートする大切さがよくわかった。家庭の中で性についての会話がないと、こど もは「これは話してはいけないこと」と思うようになり、何も話さなくなるという。性は、学校ではなく、暖かい家庭の中で親が日々はぐくむのが理想だと気づ かされた。性教育に携わる専門家はもちろん、これは母親に一押し。訳もいいので、「翻訳ものはちょっと」という人も心配なし。

(REBORN 河合蘭)


オビより
子どもが性の健康を保つためには、年齢に応じた知識を必要とします。幼児のころから若者になるまで、常に親の話しかけが大切です。カナダでこの道25年の 実績を持つ著者が手助けをします。最新・最良の知識を与え、豊富な実例を示して、適切な話し方を教えます。

ブックカバーの著者紹介より
メグ・ヒックリング(Meg Hickling)
1941年にカナダのブリティッシュ・コロンビア州に生まれる。看護婦の仕事のかたわら、1975年頃から性教育にたずさわる。持ち前のユーモアとウィッ トに富んだ話で、性に対する古い価値観を払いのけ、性教育の大切さを広く一般に浸透させてきた。年間1万人もの子どもたちやその親たち、医師や教師、ソー シャルワーカーなどに教え、1997年には同州の最高の賞、BC賞を受賞している。3人の子どもの独立後、バンクーバーで夫とふたり暮らし。現在、子ども の性教育の本を執筆している。

三輪妙子(みわたえこ)
1951年に東京で生まれる。1974年から80年までカナダのバンクーバーで暮らし、エコロジーや女性の運動にかかわる。帰国後も、カナダとの往き来を続けながら、環境保護、反原発、女性問題などに関する翻訳・通訳にたずさわる。

目次
さあ、基本的なことについて話しましょう
いつ、どんなことを子どもは知る必要があるのでしょう
就学前(3歳〜5歳)の、魔法がかった考えをする子どもたち
小学校低学年(6歳〜9歳)の、トイレにまつわる冗談が好きな子どもたち
小学校高学年(10歳〜12歳)の、なんでも気持ち悪がる子どもたち
中学校・高等学校(13歳〜18歳)の、無知なのを知らない子どもたち
性的に成熟したおとな
性交以外の受胎方法
子どもからの質問への率直な答え方
活発にセックスしている若者たち
性感染症
診察室では、どんなことが待ち受けているのでしょう

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メグさんの性教育読本


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