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『ナチュラルな赤ちゃん−最初の一歳までは自然体で育てる』  ジャネット・バラスカス著  日本語監修・榊原洋一 翻訳・井口智子 産調出版 2002年�  ¥2,940(税込)   ISBN978-4882822790

REBORNコメント

翻訳が少し堅く感じられるかもしれないけれど、いい育児書。著者は、アクティブ・バースを提唱したことで自然出産派の医療者によく知られているジャネット・バラスカス。彼女は小児科医でもなければ助産婦でもない。英国にあるアクティブ・バース・センター所長であり、そこで関わってきたたくさんの親子から学んだこと、そして自分自身の4人の子を育てた経験から書いている。

年齢としては、誕生直後から一歳までをカバー。バラスカスのお産の考えに共鳴した母親が知りたくなるような自然派育児のコツが、初めての人によくわかるように書かれている。出産直後は来客を避けて猫の親子のようにひっそりと赤ちゃんと過ごすことをすすめるとか、夜間の睡眠に一章が割り振られるなど、動物の親子的なスキンシップを柱としたシンプルな育児方針には共鳴する。

ひとつだけ驚いたのは、病気の治療について。ホメオパシー、ハーブ、アロマテラピー−つまり、親が治療者となる自然療法−がほとんどの病気の手当として紹介されていた。英国はハーブ治療の伝統が息づいている。ふつう、ホメオパシーなど日本で一般的でない治療法のくだりは邦訳版では削除されるのだが、この本ではたくさん載っている。興味のある人には資料になるが、実践は、何かあったときに相談できる人が必要。

(REBRON 河合 蘭)

同じ著者の本
『ニュー・アクティブ・バース』
『ナチュラルな出産のためのガイド』


カバーから

最初の1歳までは、自然体で育てるガイド。 本書は、子供の発育にとって親がどんなに大切な存在かを著した本。ジャネット・バラスカスは、赤ちゃんの自然な世話のしかたを記し、赤ちゃんに必要な愛情と触れ合いをゆるぎないものにするための簡単で効果的な方法「アタッチメント・ペアレンティング」の概念を紹介している。

●母子間の強いアタッチメントをはぐくむことは、赤ちゃんの元気な成長のために最良の条件をもたらす。
●出産直後から赤ちゃんと触れ合うこと、赤ちゃんが泣いたら俊敏に反応すること、からだの触れ合いをたくさん持つこと、母乳で育児をすること、夜はそばで眠ることがとても大切。
●父親が、父子独特の絆を発展させることと母子の関係をサポートすることの両方に積極的にかかわることもとても大切。

まえがきより

書は最新流行の育児本ではありません。近ごろは、赤ちゃんをより賢くするための本や、無理にでも「良く」寝かしつけるための本があふれています。しかしそれらの本が赤ちゃんのためになるのかどうか、納得のいく科学的根拠はありません。最近の調査では逆に、自然の計画に勝るものはないことが確認されました。栄養補給と発達に関しては、あなたの本格的な反応こそがまさに赤ちゃんが求めているものなのです! (ジャネット・バラスカス・著者)

目次

第1章 親になる準備をする
第2章 赤ちゃんを迎える
第3章 赤ちゃんに授乳する
第4章 赤ちゃんの世話をする
第5章 発達と遊びを促す
第6章 夜間の赤ちゃん
第7章 家庭生活と赤ちゃん
第8章 赤ちゃんのナチュラルな健康管理

著者プロフィール

バラスカス,ジャネット[バラスカス,ジャネット][Balaskas,Janet]
アクティブ・バース・ムーブメントの創設者であり、アクティブ・バース・センターのディレクター。ヨーガと、出産及び親になる為の準備について、教えています。また、講演者でもあり、国際的に知られた出産する女性権利の活動家でもあります。胎児教育と母業において大きな変革を起こすことに貢献をしてきました。

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