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『アジア遊学 No.119 アジアの出産 リプロダクションからみる文化と社会』 小浜正子・松岡悦子他著著  勉誠出版  ¥2,100(税込)   ISBN978-4585104162

◆アジアの出産が雑誌で読める

急激な近代化とグローバル化の中で、アジアの出産は大きく変容している。伝統的産婆から医師へ。不妊治療・生殖技術の発展。育児文化の変容。出産ビジネスの台頭。月刊誌『アジア遊学』の特集として、各専門家がアジア各国の調査を元に総力を結集して編んだ本。登場する国は日本をはじめ、中国、パラグアイ、カンボジア、アフガニスタン、ラオス、インドネシア、韓国、マレーシア、モロッコ、ミャンマー、ネパール、ベトナム、アメリカ、スイス、タイ、インドなどなど。トピックスも、伝統的産婆、一人っ子政策、産後の養生、出産の儀礼、産後うつ、病院出産、帝王切開、代理懐胎、精子・卵子提供など幅広い。アジアの出産の、何が変わり、何が変わらないのか、共通性と多様性は何かを考察する。写真も豊富で読みやすい短編が並ぶ。REBORNスタッフのきくちさかえ、白井千晶も寄稿している。こんな盛りだくさんでゴージャスな出産本、めったにない。

(REBRON 白井千晶)


目次

総論 小浜正子・松岡悦子

1 出産の過去、現在、未来

菅沼ひろ子/産婆から医師へ、そして助産師へ―日本
何燕侠・譚娟/「一人っ子政策」下の農村―中国
藤掛洋子/伝統的産婆の役割―パラグアイ
佐藤祥子/ある妊婦の死の背景―カンボジア
藤田則子/アフガニスタン出産事情
大日向純子/夜型化する社会の赤ちゃん―日本

2 誕生の儀礼と産後の養生

嶋澤恭子/「タマサート」な産後養生―ラオス
宮薗夏美/子どもの誕生における伝統的産婆と儀礼―インドネシア
松岡悦子/産後が何より大事―韓国の産後調理院
加藤優子/伝統的出産介助者から産後のマッサージ師へ―マレーシア
姚毅/産後の養生「坐月子」―中国

3 お産を取り巻くネットワークとその変容

井家晴子/つながりとしての妊娠・出産―ミャンマー
小黒道子/出産に関わる多様な人々―ミャンマー
幅崎麻紀子/病院出産時代の夫・父親の役割―ネパール
高橋紘美/産婦の意識調査から見えたもの―ベトナム
鈴木七美/オルタナティブな出産の実践と模索―アメリカ・スイスを中心に

4 リプロダクションの最前線―商業化する出産と医療

小浜正子/上海女性は帝王切開がお好き?―中国
柴宏美・日隈ふみ子/医療化する産みの場の環境―タイ
松尾瑞穂/代理出産のパラドックス―インド
白井千晶/精子提供・卵子提供・代理出産―日本からアジアへ
菊地栄/ファッション化する出産―日本

連載
続本朝文粋抄/後藤昭雄
天理参考館の中国玩具資料/中尾徳仁
周作人伝/劉岸偉
インド―現代の基層/武藤友治

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アジアの出産 リプロダクションからみる文化と社会 (アジア遊学 119)


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