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『生まれてよかった』(写真集) 写真・広瀬飛一 文・福岡光子著  日本図書センター  ¥2,520(税込)   ISBN978-4820589884

REBORNコメント

写真家・広瀬飛一氏が、助産師・福岡光子氏と彼女が支えたお産を7年にわたって撮り続けて完成した写真集。

60 年あまりお産と向かい合ってきた福岡氏のまなざし、手のぬくもり、赤ちゃんを迎えたお母さんやお父さん、きょうだいの喜びや安堵、愛情がそのまま伝わって くる。福岡氏の文章や、写真集に登場した家族の文章が写真に添えられ、助産院での家庭的な出産の様子がよくわかる本。

おそらく日本ではじめて、水中出産で生まれてお湯の中からまさに第一声を発しようとする赤ちゃんの表情をとらえた。どの写真の赤ちゃんも、「生まれてよかった」と言っている。

福岡氏の口癖は「性教育は生教育」。むずかしい漢字にはふりがなつきだから、子どもたちと一緒に読んでほしい。もちろん、これから産む人や医療者にも。

(REBORN・白井千晶)


本文より
お産は正常で生理的な営みです。子どもは月満ちて、産まれるべくして産まれてくるのです。こうしてあらためてお産の写真を見ると、みなさんなんて美しいのでしょう。いのちからいのちが生まれ出る時の輝き。幸せに満ちています。

著者プロフィール
■広瀬飛一
1937年、東京都御蔵島生まれ。20代の頃からテレビ番組のカメラマンとして「兼高かおる世界の旅」、「世界のこどもたち」、「音楽の旅はるか」、 「動物家族」、「ふしぎ大陸、愛の動物探検記」、「アフガニスタン潜入紀行 戦禍に眠る幻のバーミヤン遺跡を行く」、「ペンギン物語 南極のかわいい仲間 たち」、「世界わが心の旅」など数々の番組を手がける。また映像のかたわら、徹底して素顔の人物写真を撮り続け、ビデオ・フォトドキュメンタリーの展覧会 を開く。仲代達矢が主催する「無名塾STEP TO STEP」や、「坂田明の創りだす音の世界」、「響きあり音楽家11人の素顔」、「人間・團伊玖 磨」、「人間・仲代達矢」などの写真展のほか、長渕剛やいしだ壱成、仲代達矢の写真集を出版、5人の人物のスチール写真で構成したNHKハイビジョンフォ トドキュメント「仕事場の男たち」シリーズなどを手がける。


■福岡光子
1922年、東京に生まれる。旧制高等女学校卒業後、助産婦資格を取得。開業助産婦だった実母の助手を務める。1954年、福岡助産院を開業。精神性無 痛分娩とオープンシステムを取り入れる。1966年、欧米、中近東方面を視察、各国の出産事情にふれる。リーブ法、ラマーズ法などを加えて分娩指導を始め る。1980年、フランスのDr.ミッシェル・オダンに師事、水中出産を研修する。のちに二度にわたり英国でDr.オダンの指導を受け、水中出産を手がけ 始める。1985年には英国の理学療法的自然出産を学び、ニューヨークではアメリカ式ラマーズ法の産前教育を学ぶ。1990年、丹田呼吸、漢方についても 研鑽を積み、1992年、上海医科大学へ短期留学、西安、北京の産科施設も見学。東洋医学を積極的に取り入れている。現在、各看護大学、助産師学校、看護 学校の実習指導に当たっている。

本書の特色(出版社広告より)
●デリケートで撮影のむずかしいお産の場面をはじめ、生まれたばかりの赤ちゃん、感動の瞬間に立ち会う家族の自然な表情を、まるで映像のようにつたえます。
●「お産は自然の摂理、生理的なごく正常な営みです」という助産師・福岡光子氏が、命から命が生まれるときの輝き、生命の神秘を語ります。撮影されたお母さんたちの言葉も紹介しています。
●命の原点を写し出す一枚一枚の写真は、世代を越えて見る人に命とはなにか、生きることはなにか、家族の結びつきとはなにか、を深く問いかけます。

誕生の瞬間。「いのち」と絆のドラマがはじまる!
出産=「いのち」の輝きを伝える感動の記録!

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生まれてよかった


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