REBORN ARCHIVES

『わたしにふれてください』 フィリス・K・デイヴィス著  三砂ちづる訳 大和出版 2004年  ¥1,365(税込)   ISBN978-4804761114

◆ふれて、愛をつたえていく

『パワー・オブ・タッチ』の冒頭に収められていた「わたしにふれてください」という一遍の詩。多くの人々に感動をあたえ、世界中に広がっていたこの詩がすてきな絵本になりました。

1996年から2001年まで行われていた「助産師のいないブラジルに助産師をつくり、自然なお産をとりもどす」というプロジェクトの中で、現地の看護師が朗読したという「わたしにふれてください」。この詩に揺さぶられるような想いを感じた疫学者の三砂ちづるさんが、ぜひ日本にも紹介したいと日本語に訳されました。

 なかなか口にできないけれど、心とからだの奥では強く強く求めていること。それが「ふれられたい」という想い。赤ちゃんやこどもたちはもちろん、大人だって誰かにふれてほしい。赤ちゃんも、こどもも、青年も、大人も、おばあちゃんも、おじいちゃんも、抱しめてくれるあたたかな腕を必要としている。そんな当たり前の、でも忘れかけていた大切な気持ちに、この絵本を通して気づくことができます。

「ひとりでも大丈夫」なんてさみしい言葉を、誰もが口にしなくてもいいように。
「ひとりじゃない」っていうあたたかな気持ちを、誰もが感じて生きられるように。

葉祥明さんのやさしい絵とともに、つむがれていく言葉たち。全ての世代の方たちにおすすめの絵本です。

(REBRON 明石千鶴)


この本が買えるページ amazon.com
わたしにふれてください


このジャンルの書棚に戻る お産図書館INDEX