REBORN ARCHIVES

『産家やしなひ草』 産科文献読書会(お産の学校運営委員会内) 発行 著  編集責任・杉山次子 2000年  ¥2000  

◆江戸の名医が書いた「天然出産」のすすめ

東京・高田馬場にある「お産のミニ博物館」に寄贈された江戸後期(1775)の産科書が、同博物館関係者や助産婦、民俗学者など14名の女性によって現代語に訳されたもの。REBORNに参加する前の白井さんも訳に携わっている。

著者の佐々井茂庵は江戸時代の産科医で、近代日本産科学の基礎を作ったひとりである。「産は病にあらず」の言葉で書き起こされ、余計な手出しはお産を難しくするから”天然”にまかせよ、と説く。訳文だけではなく、格調高い原文も読めるのがうれしい。「産は病にあらず。而に今世の産家。椅帯もて束縛し。湯薬もて温涼し。或は梼呪を信じて惑を増し。外俗医の制をうけ。内穏婆の誣を用て。遂に弄して病痾をなす...」名文である。お産の過剰な介入は決して昨今のことではなく、非常に歴史が長いらしい。人々のお産への不安もまた、いつの世も同じだったのか。

(REBRON 河合蘭)


入手方法

入手は〒169-0075 東京都新宿区高田馬場1-24-8
 FAX 03-3232-6570  お産の学校運営委員会
 直接、同会へ申し込む。


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