WHO勧告に見る望ましい周産期ケアとその根拠
マーズデン・ワーグナー著
井上裕美・河合蘭 監訳
メディカ出版 2002年
Pursuing the Birth Machine : The Search for Appropriate Birth Technology〈Wargner, Marsden〉
WHOは、なぜ医療に慎重か?ーー科学的根拠はここにあります
WHO(世界保健機構)は1985年、ヨーロッパとアメリカの事務局で周産期−お産前後の時期−ケアの見直しをおこなった。出産前、出産、産後について三つの会議を米国、ブラジル、イタリアで開催し、勧告を発したのである。その内容は医療行為の使いすぎをいましめ、ヒューマン・タッチのケアを奨励するもの。欧米のお産は、賛否両論の渦となり、たくさんの議論が起きて、産科医療に大きな影響を与えた。
アジア地域事務局に属する日本では、この勧告は、残念ながら知られなかった。しかし、WHOが全体レベルでこれに取り組め始め、「WHOの59ケ条」も知られるようになった今、日本がこに立ち返り、学ぶものは大きい。
著者ワグナー氏はWHO母子保健局長として会議の仕掛け人を努めた人物。周産期疫学者として日本にもたびたび来日し、2001年には国立研究所で講演を行ったりしている。
本では、WHO会議開催の全容と、会議で提示された優れた研究論文の紹介がされる。会議後の新しい文献も多数加えられている。ずっしり400頁の手応えある本だが、専門家の方にはぜひチャレンジして欲しい。
(REBORN 河合 蘭)

