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ジョディ・ライトさん
(
マザー・ウェア社長)

REBORN15号(1997年4月)より

文/ 河合 蘭


社員はほとんどが母親
 母乳だと、行動が制約される・・・・・そう考える母親は多い。理由のひとつは、外出したら最後、堂々と授乳できる場所はまずないからだ。ところが、「ただいま育児中・お猿の巻」でご紹介した「マザー・ウェア」のウェアは、町中どこでも、わからないように授乳できる。
 社長ジョディ・ライトさんは、「女性が起業したスモール・ビジネスは、今、アメリカで最も急成長しているビジネスのひとつ」だという。マザー・ウェアは1982年、母親ふたりが創業し、86年にジョディーさんが買い取った。「当時は友達4〜5人とやっていました。デザインから梱包まですべて自分たちの手でやっていました」
 それが今では、50人の社員を抱える。ほとんどがワーキングマザーだ。ジョディーさんも、15歳から6歳まで、5人の子を育てながら社長業をこなしている。


●育児は、すごいこと
 ハードな仕事と、これまたハードな育児。それを両立させるコツとは?。
 まず彼女は、子育てをとても重大なことだと考えている。「私は、不妊に悩んでいた時期が長かったので、子どもをすごく大切に思っています。育児は、男性にとっても女性にとっても、世の中で一番大切な仕事のひとつだと思います。たくさんの文化がそう考えなくなったのは、とても残念です。」
 そしてもう一つのポイントは、自分を粗末にしないことだという。
 「育児で大変なのは、8時間やって帰宅、とは行かないところでしょうね。だから、母親である人は、自分のニードに耳を傾け、自分だけの時間を作ることです。ゆっくり長風呂したり、静かに本を読んだり、何でもしたいことをする時間がね。」


●自分に戻る「フリー・ナイト」
 ジョディーさん夫妻は、夫婦それぞれが「フリー・ナイト」を持っているそうだ。
 「毎週火曜日の夜は、私のフリー・ナイト。フリーの夜、私はひとり外で食事をして、本を読んだり、体操をしたりします。こうやって計画しない限り、自分の時間は、いつまで経っても出来ません。でも、それでは自分が自分でなくなってしまい、いらいらして、子供や一緒に働いている人に当たってしまいます。だから私は、自分を大切に”しなければならない”の。」
 ジョディーさんも、子どもがもっと小さかった頃は、それがなかなかできなかった。
 でも、授乳タイムに帰ってきながら、月に一度くらい、前もって計画して「外出日」を実行した。「外出日はいつも店がすべてお休みの日曜日だったけれど、がらんとした病院のロビーへ行き、静かに日記を書いたりしました。」
 日本では、多くの女性が、母親になるとき自分であることをあきらめているように感じる。でもそれでは育児が義務になってしまい、自然な愛の行動にならないのでは?
 また、母乳も同じではないだろうか。だから、母親自身に自由や、ファッション性をプレゼントするジョディーさんたちは、とても正しい母乳支援をしていると思う。

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(この記事は、マザーウェア日本人社員マストロイアーニー律香さんのご協力をいただきました。)
マザーウェアのホームページ http://www.motherwear.com

このインタビューはREBORN15号(1997年4月)に掲載されたものです。

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