開業SANBA日記

 朝の連ドラに、またまた自宅出産登場!放映日は2002年7月1日〜7月6日でした。

三宅はつえ


 NHKの朝の連ドラといえば、なぜだかヒロインの人生あれこれドラマ。なんでいつもヒロインなのかは謎だけど(若い男の子が主人公でもいいよねぇ)、とりあえず女性の人生には妊娠出産は欠かせないエピソード。今回の「さくら」でも自宅出産シーンが放映される。しかも「朝の連ドラ初の1週間連続お産シーン」というおまけ付きだ。
 昨年の「ちゅらさん」に引き続き、朝の連ドラでの自宅出産シーンは2年連続となるが、「ちゅらさん」のときはロケ地が沖縄で、側臥位でのお産に「あれって『沖縄式』ですか?」なんて声も聞こえてきた。「お産は分娩台で!」というすり込みによるんだろうか、この発言は...。立ってたって座っていたって、どんな格好でも赤ちゃんは産めるんだけどなぁ。
 今回の「さくら」ではお産をするのは熊谷真実さん扮する沼田屋の出戻り娘:みどりさん。元だんながお産現場に現れケンカが始まると陣痛が遠のいてしまったり、スツールに布団をかぶせて陣痛をやり過ごしたり、見どころ満点。なにしろ1週間もかけてお産が進むのだから、いろいろなエピソードがちりばめられる。
 ところで、なんでそんなに詳しいのかといえば...
 実は三宅もこの場面に登場しちゃうのだ。メインの助産師役:富士真奈美さんの助手役として、画面に5秒ほど映る。しかもせりふ付き! お産が進んで助手の助産師(三宅)が産宅に到着し、主人公のさくらちゃんがあわてふためいて私の手を引き、産室まで案内してくれる。おもわず「そんに急がんでもぉ〜」と言っちゃうのだ。
 そもそも、この話がきたのはバース・コーディネーターの大葉ナナコさん(写真・右)から。彼女とは「妊娠・結婚の有無を問わないマタニティークラス:桃の花倶楽部」を一緒にはじめて5年になる。その大葉さんと「さくら」の脚本家:田渕久美子さんがお知り合いだったという、「友達の輪」みたいな話だ。田渕さんと大葉さんはよりよい自宅出産の具現化にむけて、毎夜のごとく電話で話し合ったという。
 私に来た話は自宅出産の助産指導ということだったが、演出の方に「最近の自宅出産は基本的にペア以上で受けるので、画面の中に助手を配置していただけますか?」とお願いしたところ「うぅ〜ん、じゃぁ、三宅さん、出てください」ということになったのだ。『瓢箪から駒』みたいな気がしている。
 近所の准看護学校で母性看護学を教えているが、学生へのアンケートでお産のイメージの出どころを聞くと「テレビドラマや週刊誌の見出し」と多くの学生が答える。元WHOのマースデン・ワーグナー博士も「テレビなどメディアでは良質で正常な出産シーンが放映される必要がある」と新著の中で書いている。
 「バース・プラン」「フリースタイル出産」「カンガルーケア」...こんな単語がホームドラマの中にポンポン出てきたら、日本のお産も大きく変わっていくだろう。
 番組に対する反響の大きさも、次の企画を産む原動力になる。どーぞ、みなさま、NHKに感想をお寄せ下さいませ。(番組名「さくら」と明記のこと)

NHKへのE-mail: nhk-mail@fureai.nhk.or.jp /Fax:03−3467−1998

date: 2002/06

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