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『赤ちゃんにやさしい病院』 5施設認定
2003.8.23日本経済新聞から
淺井 明子(フリーライター/REBORN)
 出産直後から母子同室、生まれて30分以内に母乳を与える――などWHOとユニセフが定める「母乳育児成功のための10カ条」を実践する施設・「赤ちゃんにやさしい病院」(Baby Friendly Hospital)に、新たに5施設が選ばれ、8月2日、第12回母乳育児シンポジウム(主催:日本母乳の会 後援:ユニセフ)で認定式が行われた。選ばれたのは、北見赤十字病院(北海道北見市)、横浜市立大市民総合医療センター(横浜市)、あわの産婦人科医院(富山県入善町)、森下産婦人科医院(福岡市)、市立熊本市民病院(熊本市)。

 1989年、WHOとユニセフが世界の産科施設に母乳育児の重要性を強調し、「母乳育児成功のための10カ条」を共同勧告。そして、1991年に10カ条を実践する施設を「赤ちゃんにやさしい病院」に認定する運動をスタート。これまでに世界で約2万を越す施設が認定されているが、日本での認定施設は、今回認定された5施設を含め30施設とその数はまだ少ないが、今回初めて認定された教育機関である大学病院の動きなど、今後の展開に期待したい。母乳育児に理解ある医療従事者、施設が増え、母子ともに満足のいく出産、ケアが受けられる施設が増えることを心から願う。

◆「母乳育児成功のための10カ条」
(WHO・ユニセフ勧告より)
1.母乳育児の方針を全ての医療に関わっている人に、常に知らせること
2.全ての医療従事者に母乳育児をするために必要な知識と技術を教えること
3.全ての妊婦に母乳育児の良い点とその方法を良く知らせること
4.母親が分娩後、30分以内に母乳を飲ませられるように援助すること
5.母親に授乳の指導を十分にし、もし、赤ちゃんから離れることがあっても母乳の分泌を維持する方法を教えてあげること
6.医学的な必要がないのに母乳以外のもの、水分、糖水、人工乳を与えないこと
7.母子同室にすること。赤ちゃんと母親が一日中24時間、一緒にいられるようにすること
8.赤ちゃんが欲しがるときに、欲しがるままの授乳を進めること
9.母乳を飲んでいる赤ちゃんにゴムの乳首やおしゃぶりを与えないこと
10.母乳育児のための支援グループを作って援助し、退院する母親に、このようなグループを紹介すること

【参考サイト】
●日本母乳の会 http://www.bonyuweb.com/
【参考記事】8.23日本経済新聞夕刊 母乳で育てる「育児力」永山美千子



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