プロフィール   

欲望ごはん 2005/03/20

REBORN河合編集長のヨガ入門、空手入門、断食体験記を読むにつれ、これらに密かにあこがれを抱いてきた身としては、心穏やかではいられなくなってきた。

いいなあ〜、私もやりたいなあ〜。下の子が小学生になって、保育園の送り迎えから解放されたら、その分の時間を利用してやってみたいなあ。

河合さんの断食によって得られた感覚には、日記で読んだ限りでは、菜食で得られるそれにかなり近いものを感じる。菜食の日常は、断食の感覚を何十倍かに希釈したようなもの?欲望からの解放、穏やかな心境、透明でライトな身体感覚...。

まあ私なんて、人様に誘われると焼き肉でもなんでもほいほい行っちゃうし、旬を味わうだのなんだのという名目の元に、頻繁に例外を作ったりしているかなり不真面目なベジタリアンなので、その身体感覚も極めて怪しいのだが。

実は、この連休中も欲望満開の食体験をしてきちゃった。個室形式の座敷のいろりで、串に刺してある状態の食材を、お客がみずから炭火で焼いていただくスタイルのお店。そして、な〜んと食材や飲み物は、座敷の窓の外を流れる川を舟でどんぶらこっこと運ばれてくるのだった。舟は注文主のいる部屋の窓の外できちんと止まるように出来ていて、流しそうめんのようにタイミング良くすくい上げるテクニックは必要ない。

このお店で食欲以外に満たされるのは、狩りへの欲望?遊びたいという欲求?危険もなく熟練の必要もなく、一石二鳥、三鳥、四鳥。ホント、欲張りさん。

保育園仲間の5家族で行って、にぎやかで楽しいひとときを過ごしてきたのだけれど、和洋中折衷みたいな店構えといいどんぶらこっこといい、そのサービスぶりに、なんだかすごい夢を見て目覚めた後のような疲労感を抱きつつ、お店を後にしたのだった。何事も、経験よね、経験。



愛の手作りクッキー大作戦 2005/03/13

9歳の息子は、バレンタインデーにひとつだけチョコレートをもらってきた。

これが、手作りのイニシャル入りという、大本命チョコ。しかも昨年に引き続きなのだから、先方の本気度は知れよう。

そのお返しに、ホワイトデーには手作りクッキーに挑戦したいと息子が言う。

昨年は母が代理でお返しを購入し、保護者会の時かなんかに相手の子のお母さんにお渡ししたのだから、大進歩というか、なんというか...。

「え、いいの!?それってこっちも本気ってことになるよ。○○ちゃんのこと好きなの!?」と尋ねると、テレもせずに「うん」と言う。

よっしゃあ、そんじゃ、協力してやろうじゃないの。というわけで、今日は午前中はサッカーの試合があり、結果は芳しくなかったようなのだがそんなことはもう頭から吹っ飛んでる様子の息子に、クッキー作りを指南したのだった。

いつもなら、砂糖ひえめとかノンシュガーのお菓子とかしか作らない我が家だが、甘い恋の橋渡しのお菓子だもん、砂糖(黒いけど)たっぷり、バターこってり、アラザンだって散らしちゃう。

まぜまぜやこねこねを一応体験し、型抜きとイニシャル付けは気合いを入れて全部自分でやって、それなりに手作り感を味わうと、息子は焼くのは母任せにして、友達と遊びに外に飛び出していった。

で、夜がまた大変。パッケージデザイナーの夫の指示の元、ああでもないこうでもないと、せっせとラッピング。あとは明日、無事に渡せるといいね。

子どもの受験やら大学の入学式・卒業式に付いて行くという親を鼻で笑っていたけど、我々夫婦も親バカ街道まっしぐらなのであった。



ひとりで打ち上げ 2005/03/04

昨日アシスタントさんが全員引き上げ、今日は淡々とひとりで仕上げと最終のチェックをして、原稿を完成させた。小学館のJudyで連載させていただいた、「妊婦の『ぷ』」の最終回である。

掲載雑誌は24日頃発売予定。皆様、機会がありましたらどうぞお手に取って見てやってくださいね。これまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

思えば、子育てにエネルギーを奪われ、8年以上もストーリー漫画を描いていなかった。それが、復帰第一作でいきなり連載をいただき、以来1年余り、作家らしい充実した生活を送ることが出来たのだった。チャンスを与えてくださった編集部の皆様には、感謝、感謝である。

こんなきつい仕事、一旦離れて勘が鈍り、年くって体力も衰えてからの復帰なんて、ありえないと思っていた。

でもねえ〜。出るんだな、脳内麻薬が。漫画描いてると。

イケナイお薬に手を出さなくても、アブナイ出会い系に走らなくても、駅前のパチンコ屋に入り浸らなくても、漫画を描いてると得られる、これ以上ないほどの高揚感。

これが忘れられなくって、復帰したのだ。

もちろん創作活動なので、つらいことも多い。でも、それを越えたところで待っている、ラリパッパ状態...。

あ、これってつまりはお産と同じ?

自分を解放しきった、リラックスしきったお産では、マラソン選手や登山家などがおそらく感じているであろう感覚が、もれなく付いてくるものなのだ。体を拘束され、人目を気にして遠慮しいしいのお産では、なかなか難しいらしいけどね。

お産ではもちろん、現代社会の生活では、そういう高揚感を得られる機会が減っているんだろうな。だからオリンピックやマラソン中継に、その疑似体験を求めて人々が釘付けになるのかも知れない。

仕事でそういう高揚感を得られるって、ものすごくありがたいことなんだろうなあ。

いつもなら編集部に届けに行く完成原稿だが、今日はうちの下の子と担当編集者さんがダブルで発熱だったために、小学館のバイトさんにわざわざ最寄り駅まで取りに来てもらって引き渡し、ほっと一息つく。子どものおがげで、いつ、どう仕事の予定が狂うかもわからず、これもデンジャラスだった。

夕食時、麦らしい味わいのこくとフルーティーな香りがお気に入りのオーガニックビールで、無事連載が終了したことを祝う。手酌で乾杯なんて、基本的に漫画家は地味。今夜は久々に、朝までたっぷり寝るぞ〜〜〜。









SOLO REBORN 目次へ

OLIVE-DESIGN-CGI
Simple Olive Diary2 Ver1.0