プロフィール   

あの子はだあれ? 2006/02/18

時々見かけるあの子はだあれ?

白・黒・グレーのシャープな出で立ち、律儀な歩調でアスファルトの上をとことこ歩く、スズメより大きくてヒヨドリよりは小ぶりな鳥。

なんで鳥なのに、歩いて横断歩道を渡っているんだ?あの子はだあれ?なんていう名?

さっさとネットで検索すれば良いものを。本屋や図書館で鳥類図鑑でも手に取ってみれば良いものを。そう思いつつ何年も、名前を知らないままでいた。

それがある日、友達の家の本棚に、みつけてしまった身近で見かける鳥の図鑑。開いてみたらたちまち解決、気になるあの子は「セキレイ」だった。ひとつ賢くなったかな。

でも、名前を知ったところで、人にあの鳥の歩きっぷりをおもしろおかしく話す時、ちょっと便利になったくらいかも。そんな名前はこちらの知ったことではないとばかり、相変わらず見かけるたび、翼があるのに律儀に歩いているよ。

先日、冷たい雨が降った朝、ふと見上げた梢に見慣れない野鳥の姿があった。はじめ、雨に濡れて羽が乱れているすずめかと思ったが、なにやらすずめよりはちょっと渋くてアバンギャルド。「ぎゅーっ」と、あまり美声とはいえない、でも控えめな感じが好感の持てる鳴き声を発したかと思うと、あっという間に飛び去った。

その姿を目で追いながら、またこの先何年もあの子はだあれと心の中で問うだけで、満足する日々を私は送るんだろうなと思った。




少子、負け犬、と来れば次は... 2006/02/13

「少子」「負け犬の遠吠え」ときたら、次は「知的悪女のすすめ」か「ルンルンを買っておうちに帰ろう」あたりにさかのぼるのが筋?

いえいえ。ここへ来て私、息子が最近にわかにはまりだした「デルトラクエスト」なる本を、いったいどんなもんかいなと思って読んでいるところ。

悪に奪われた7つの宝石を取り戻し、平和な王国の復活をめざす少年の冒険物語。目の前に立ちはだかる怪物との戦いを次々とクリアしてゆくあたり、ゲーム世代にはおなじみの展開。スピーディーでちょっとご都合主義、親の財布が緩みやすい1000円でおつりがくる価格設定も心憎いばかり。

物語というとこれまでは、10歳にもなって相変わらず寝る前の母親による読み聞かせ専門。たまに図書室から本を借りてきたかと思えば、それは新聞紙や牛乳パックなんかを利用した工作のノウハウ本、と決まっていた我が息子。

それが友達の間ではやっているというデルトラにすっかりはまりこみ、ただいま寝食を忘れて読みふけっているのだった。どっぷりデルトラ世界に入り込んでいる間は、現世からのごはんコールも届かない様子。

ああ、こういう感じ、かつて私も経験したなあ。

私が子どもの頃夢中になったのは、怪人二十面相とかルパンとかホームズとかだったっけ。怪人二十面相の、絵の具で書かれたちょっとコワめで野暮でくら〜い表紙、今でもしっかり覚えているよ。

思えば、物語の世界にのめり込むという感覚をあれで身につけたことで、本を読む喜びがさらに大きくなったのかも。息子もこれをきっかけに次々と本を手にとるようになるといいんだけど...とついつい期待しちゃうのが親心。

先日、あまりの人気ぶりに学校の図書室のデルトラシリーズはいつも貸し出し中で、続きがなかなか読めないという彼の訴えに、本屋さんへと出かけてみた。すると、ああ、やっぱりね。

デルトラシリーズは怪人二十面相やルパン、ホームズらと一緒の棚に収まっていた。


ついでに「負け犬」を今頃読む 2006/02/11

「少子」を最近になってようやく読んだという、情報には敏感であらねばならない仕事につきながらとてもナマケモノな私の日記を見て、「コイツ、今頃はきっと『負け犬の遠吠え』読んでるな?」と思われた方、大正解でございます。ああ、なんてわかりやすい行動。

そしてやはりベストセラー、おもしろかった!

でも、なんというか、ナルニアとかハリポタ読んだ時のようなおもしろさだったなあ。別世界。人ごと。負け犬も勝ち犬も、私には魔法使いやフォーンのたぐいか。

「負け犬にならないための10カ条」なるものを見ると、どうやら私は負け犬要素90パーセントの体質。でも、結婚していて子どもも2人いるのはどーいうわけよ?しかしながら、この本に登場する勝ち犬さんとは、信条も生活もなにやら相容れないモノがあるし...。

てなわけで、勝ち負けどちらにもどっぷり感情移入できないのだった。なぜ...?
私には、現代社会や本を読み解く力が欠けているのかなあ。そうかもなあ。
勝ち犬で余裕こいてるから、では絶対ないよなあ。

ああ、そっか。ここに書かれているのはあくまでも、血統書付きの由緒正しいワンちゃんたちのことであって、雑種はハナからおよびではないのね。

そもそも、出身校は一応私立の女子校だったけど、そこはミッション系ではなくアート系。どうもここらあたりですでに血統書はどうでもよかったフシがある。そーいえば、吉田秋生さんのマンガの「美大の女は女じゃない」というセリフに、在学中、友達同士ふか〜くうなずき合ったっけ。(最近の美大事情は知りません。)

おまけにやってる仕事がこの本では語る価値無しとばかりに一刀両断されている、オタクやヤンキーの皆さんに指示されないことには立ちゆかない「漫画家」じゃあねえ。
すみません、私、血統書つきのワンちゃんのことは、語る資格ありません。

私は雑種。雑種は雑種の生活圏で、勝ち負け意識せず楽しくやってゆけるぶん、気楽でヨカッタよ。でも、ベストセラーも書けないね。








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