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プロフィール |
冨田江里子さんを招いて-REBORNゲスト講座 | 2006/06/12 | |||
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フィリピンで貧しい人たちのための無料診療所を開いている助産師・冨田江里子さんが、間もなく一時帰国する。 REBORNではこの機会に冨田さんをお招きして、REBORNゲスト講座として、現地での活動についてのお話をうかがう場を設けた。 私が冨田さんに出会ったのは昨年の今頃、やはり冨田さんを招いてのトークイベントが初めてであった。このからだのどこにそんなパワーが、と思わせる細身で繊細な風貌と、身振り手振りも交えての関西弁のマシンガントークとのミスマッチが魅力的な冨田さん。 診療所で彼女が出会った出来事の数々は、貧困と先進国の中途半端な介入が生み出したともいえる衝撃的な内容ばかり。その一方で、人と人との関わり合いが育む日々の営みの中にある生きる喜びは、かつての日本の社会もこうであっただろうと思わせられて、とても引きつけられる一面だ。 「私が○○してあげる」というおしつけではなく、現地の人の求めるままにすっとそのコミュニティに入って行った冨田さんの視点から見た、開発途上国のありのままの姿を知ることは、その犠牲の上の豊かさにあぐらをかく私たちの心を揺さぶること間違いなし。 6月22日(木曜日)13時半より。まだ定員に余裕がありますので皆様お誘い合わせの上、是非ご参加ください。 http://www.web-reborn.com/cgi-bin/event03/index.html?log_no=1#21 |
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未妊「産む」と決められない | 2006/04/16 | |||
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河合さんの本が出た。「こんな本を書いてます」という話を聞いて以来、出来上がるのを心待ちにしていた本だ。 http://www.web-reborn.com/books/book/mininumutokimerarenai.html 産まないと決めたわけではなく産むことを先延ばしにする人の増加。その現象は、私自身かつて当事者だったこともあって、ずっと気にかかっていた事柄だった。 しかし世間でよく行われる少子化の原因を仕事やお金の問題でひとくくりにするやり方や、少子化を国家や経済の危機といった観点から論じるやり方には、なにか違和感を感じていたのだった。なので、河合さんが果たしてどんな切り口でこの現象を語ってくれるのか、とても楽しみだったのだ。 これは、産まない人を責めたり、産むことを迷っている人を、さあ産みましょうと、叱咤激励する本ではない。こうすれば問題解決!!と手品よろしくあざやかに解決策を提示するものでもない。 データではなくひとりひとりの声を、という姿勢で臨んだという「今産むことを決められない女性」たちへの取材。そこには、出産医療ライターという仕事を通してのたくさんの出会いや、3人の子どもを育て6人家族を切り盛りしてきた経験で培ったと思われる、河合さんのゆったりと広くそして暖かいまなざしがあふれている。その一方で、背景にある個人個人では解決が難しい問題を、クールにくっきりと浮かび上がらせてくれている。 そこから強く思うのは、企業利益優先でそこで働く人の生活を省みない会社のシステムや、個人にばかり子育ての負担を強いる社会のあり方など、解決できることはすぐにでも解決すべき、ということ。 それから、大人の人たちは、この世に生まれてきた生き物としての役割をみずからに問い、社会の一員としての視点をきちんと次世代に伝えられる存在でありたいなあ、ということ。 さらに、街ですれ違う自分とは縁もゆかりもない人々の顔を、お互いがウリやカボチャではなく同じ共同体の一員として、認識出来る社会だといいなあ、ということ...。 沢山の人がこの本を手にとって、そして読み終わった後、たとえちょっぴりでも河合効果に染まれば、住み心地の良い、それこそ、どれ子どもでも生んでみるかと思う人が増える社会になるかもしれないな。 ちなみに、私、校正原稿の段階で目を通すという恩恵にあずかり、さらには私のつたない経験まで本文中に盛り込んでもらってしまった。なんという光栄。引きつけられて、むさぼるように一気に読んだが、「アドバイスを」というお役目はすっかり忘れ、気が付けば赤線引っ張った箇所は「そうそうそう!!」と気合いを込めてうなずいた所ばかり。 せっかくご指名いただいたのに、役に立たなくて、河合さん、ごめんなさいね〜。 |
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